2007年10月 No.225 危険!?子どもと親を襲う生活習慣病
1997年の11月、厚生労働省は1~5歳の幼児向けの「肥満とやせの判定表」を作 成した。この背景には、小学生の肥満、高コレステロールが増え、生活習慣病で 死亡する中・高生も出てきていることがあげられる。生活習慣病の低年齢化はこ こまで進んでいるのだ。子どもが歩き始めたころから、予防対策をとることが必 要な時代になったのである。
あなたの子ども、肥満の心配は?
まずは、グラフをご覧いただきたい。これは、厚生労働省が作成した「1~5歳の 肥満とやせの判定表」。
子どものいる方は、チェックしてみて欲しい。 ただし、1~5歳は個人差が大きく成長も早いので、ここで「肥満」と出ただけで 心配することはない。 「うちの子ちょっと太りすぎかな」と思ったら、毎月1回身長と体重をはかって グラフに記入。半年ぐらい様子を見て、体重が身長の伸びより急激に増えている ようなら、肥満の可能性が高いので、具体的な対処法を考えたほうがいいだろう。 ただし、肥満に結びつくような生活は、早急に改善が必要。
糖尿病、動脈硬化などが心配さる子どもたち
子どもの症例が報告されている生活習慣病として、糖尿病と動脈硬化がある。 簡単にいうと、糖分の摂りすぎと脂肪分の摂りすぎで起こる病気である。 血液中のコレステロール値という言葉は、健康診断などで皆さんおなじみかと思 うが、小学生で高コレステロールだった子どもは11%ぐらいいるという報告もさ れている。 だからといって、今すぐ病気になったり死んだりするわけではないが、20代、30 代で発病してしまう可能性が高いのだ。 一生懸命育てた子どもが、これからというときに、大病を患ったり、最悪亡くな ったりしてしまう危険性があるのです。 お母さんが栄養バランスを考えた食事を作っても お菓子を袋ごと与えたり… (スナック菓子の脂肪分、塩分は摂りすぎると危険。でも、子どもにはその調節 ができない) 子どもの要求に負けて、ジュースなどを与えたりしているような ら(ジュース2杯ぐらいで、1日に必要な砂糖の量を軽く超えてしまうことがある) 生活習慣病は防げない。
肥満を判定する方法
BMI(体格指数)で判定する
計算式によって得られた数値から標準体重を求め、さらにこの標準体重をもと に肥満度を求めるには多くのステップが必要です。 そこで、この手間を省いて肥満の基準となる値を定めたものが BMI(体格指数) と呼ばれるものです。 (計算方法は次ページにあります。) わが国では BMI25 以上が肥満とされています(日本肥満学会の基準)