2008年8月 No.275 むし歯は本当に減ったのだろうか?
先日、私が園医をしている幼稚園へ歯科健診に行ってきました。 毎年新学年が始まり子どもたちが幼稚園に慣れ、少し落ち着いてきた頃に健康診断の一環として歯科検診も行われます。 もう30年以上続けてきた年度始めの行事ですから、私にとっては現時点での子どもたちの口の中を概観するためにも重要ですし、また自然な状況の下での元気 な子どもたちの生の姿に接する楽しみの一つでもあります。
ところで、このところ子どもを持つ親御様、そしてマスコミまでが何年も子ど ものむし歯は軽症化そして減少し、今や子どものむし歯の問題は解消されたかの ように扱われてきていますが、その傾向は本物になったのでしょうか?
今年の健診結果からすると少し疑問に感じざるを得ない状況でした。またまた むし歯復活の兆しが見えてきたように感じました。
せっかく子どもの口の中がひどいむし歯もなく、殆どの子どもの口の中には金 属色のものも無く、見た目があっさりと健康そうになってきたのに、その状況を 維持、増強させようという動きにはならなくて、無関心になってきたように感じ ました。 当然子どもの口の中は少しずつ汚れてきますし、その結果はむし歯と してきっちりと表れてきます。それほど簡単にむし歯は口の中の状態を反映する のです。 そういう意味で常に口の中の清潔を心がけるよう叫び続ける必要があ るのです。これが本当の意味での健康習慣の確立なのです。
むし歯や歯茎の病気はまさに生活習慣病なのです。
歯並びについても毎日の食事に対する咀嚼習慣の結果という風に考えられま す。
本当にむし歯は減ったのでしょうか?
-院長-