2009年8月 No.287 家族の喫煙で歯肉が黒ずむ?
5月14,15日日本小児歯科学会が大阪大学で開催され出席しました。
その時の発表の中に「小児における受動喫煙の口腔への影響」というのが目に留まりました。
喫煙者自身の健康への悪影響については、多くの報告がなされ喫煙者が減ってきている様ですが、まだまだいるのが現実です。そして喫煙者の周りの人にも様々な悪影響を及ぼしている、受動喫煙の問題が起きているのはご存じのとおりです。
以前にも受動喫煙と歯肉色素沈着について“くりあー”に書いたことがありますが、実際、私の診療所の患者さんの中にも歯肉に黒い色素沈着を心配されて来られる方が結構あります。
今回岡山大学小児歯科が幼稚園児85人と小学生166人計251人を対象に調査をしました。その結果、幼稚園児、小学生ともに約3割に歯肉の黒ずみが見られました。それらの子どものうち約8割の幼稚園児、約7割の小学生は父母など家族が喫煙者だったのです。
それに対し、黒ずんでいない子どもの場合は、3割の幼稚園児、5割の小学生の家族が喫煙していました。
小学生の歯肉の黒ずみどの調査で、健康な歯肉の児童でも家族の47%に喫煙者がいましたが、もっとも黒ずみなどがひどい児童らのグループでは全家族に喫煙者がいました。
発表チームは、幼児期の歯肉着色原因の約半数、小学生の73%が受動喫煙による可能性があると結論付けていました。
-院長-