2009年9月 No.288 今年の健診を終えて
私が園医をしている幼稚園、保育所の歯科健診に行ってきました。
毎年、年度始めの5,6月に行きます。
診療所に来院される患児はそれぞれ歯が痛いとか歯のケガをした,むし歯予防をしたい、歯並びを治したいなどの主訴がある特定の集団です。
それに対して幼稚園、保育所の健診ではその年齢群の子ども全体を診る事ができるので,現在の子どもの歯科医療状況、健康状態を把握するいい機会なのです。
今年の健診を終えての感想は、3歳までは本当にむし歯の子が少なくなりました。家庭での手入れが行き届いているからなのでしょうか?
以前では口の中を見る以前にこの子にはむし歯が当然ありそうだと思える子はたくさんいました。口の周りが汚れている、目やにが着いている、落ち着きがなくうろうろしているなどです。最近では口の中が少しくらい汚れていてもむし歯のない子がいるのです。
3~4歳くらいまではむし歯のある子よりも歯の癒合歯(2本の歯がくっついている)や先天性欠如歯がある、指しゃぶりなどが原因で前の歯がかみ合わないなどの障害を持った子どもの方が多いようですねと言ったくらいで、どうも最近のむし歯菌が弱くなったのかと思われるくらいです。
一方、5歳を過ぎてくるとやはりむし歯の子どもがちらほら目立ってきます。
最近では少数ですがむし歯のある子は結構重症です。むし歯のある子とない子が両極端になっているのです。
この事は、すこし手を抜けば、あるいは砂糖の摂り方を間違えば簡単に昔のようにまたむし歯の子どもが増える危険性が高い事を示唆しているのです。
むし歯菌が弱くなったのではなく、保育者の心配りがかなりのレベルに達しているのだと考えるのが妥当だと思います。
子どもが5歳ともなればなかなか親の思い道理にはなりません。歯と歯の間の歯ブラシの届かないところはフロスが必要です。
もう一息、お子さんのために頑張ってほしいものです。
-院長―