2010年11月 No.302 気をつけたい子どものいびき
歯の治療に付いて来られる親御さんから、この子は小さいのに毎日大きないびきをかくのですがどこか悪いのでしょうか?と聞かれることがあります。
子どものいびきの原因のそのほとんどは、扁桃腺肥大によるものです。よく熱が出る、食が細いようなら、一度口の中を覗いて見て下さい。のどちんこ(口蓋垂)の横に大きく肥大した扁桃腺が見えます。赤く腫れあがっていると扁桃肥大
の可能性があります。口蓋垂の後ろの上には、口からは見えませんがアデノイドが隠れていて、鼻づまりを起こし、口呼吸となります。扁桃肥大とアデノイドにより気道が狭くなりいびきの原因となります。
いびきをかいている時に、パジャマの胸をはだけて見て下さい。胸が呼吸に伴って凹んでいる時は気道が狭くなり(漏斗胸)になっている事があり、いびきがひどい場合には胸が陥没したような鳩胸の胸郭変形の原因となります。もちろん呼吸障害から睡眠・覚醒リズムが乱れ、睡眠時無呼吸になったりもするのです。このような場合は要注意です。扁桃腺摘除によって症状の改善を図る必要があるかも知れません。
本来、扁桃には細菌の侵入を防ぐなど免疫系を司る働きがあり、子どもの時期に大きくなるのは自然の発育なので、扁桃を切ると、子どもの免疫機能が落ちるのではと心配する人もいます。しかし、扁桃が肥大し過ぎた子どもは、中耳炎や鼻炎になりやすく、風邪もひきやすいのですが、術後は風邪もひきにくくなるうえ、いびきをかかなくなるだけでなく、ぐっすり眠れるので昼間の活動も活発になります。
いびきの原因には扁桃肥大のほか、風邪や鼻づまり、アレルギー性鼻炎などがあります。10%もの子どもが習慣的にいびきをかいているという報告もあり長年持続する傾向があるともいいます。注意が必要ですね!!
-院長-