2013年7月 No.336 成人歯科相談に出務して
高石市は市民サービスとして成人歯科健康相談を年に何回か実施しています。先日、高石市歯科医師会会員として当番に当たり出務してきました。
私は小児歯科専門医ですからできれば当番を外して貰えればとも考えますが、こんな機会でもなければ成人の歯科事情を見る機会がないので敢えて断らずに行ってきました。
果たしてどのような相談に何人の方が来られるのかと思案していたのですが、高石市保健センターへ着き準備をしていたら、早速担当の歯科衛生士さんが今日は10時から12時までぎっしり詰まっていますから、よろしくお願いしますとのお達しです。特定の人にあまり時間を取られ無いようにスムーズにということなのかと理解しました。
相談に来られた方は40歳代から80歳代までに亘り、60歳代が最も多かったようです。相談に先立ってお口の中をさっと検診するのですが、成人の口の中は様々な治療の跡があり、また新しいむし歯や歯周病が見られます。その上歯並びも様々で、私が毎日見ている子どもの口の方が遥かに清潔できれいなように思われます。2、30年程以前は、子どもの方がむし歯も多く惨憺たるものでしたが、今や逆転してしまいました。
そういえば、3,40年前の“むし歯の洪水”と言われた時代の人たちが、子どもの頃のひどい口腔情況を、成人して相応な年齢になっても持ち越しているのです。しばらくの間は成人の歯科事情はまだまだ問題がありそうです。
相談内容は、入れ歯を作ったけれどもうまく噛めないので、などといったものが多く、本当は治療に当たった先生にその旨を説明し、じっくり相談に乗ってもらう必要があると思うのですが、実際はうまく説明ができないようです。どんなに名医でも一回で完璧、調整無しとはいきません。うまく使えるようになるにはそれなりの時間が必要です。
このような歯科相談では次から次と話しかけてくれるのですができれば普段の治療時こそ相談ができるようになればいいのにと思いました。
-院長-