2014年7月 No.348 今年の歯科健診を終えて
毎年この時期は学校、幼稚園、保育所などで健康診査が行われます。
私は浜寺幼稚園、羽衣保育園、松の実園の三施設の園医をしています。
毎年これらの施設へ出かけ、子どもたちの歯と口の健康状態を見ます。普段大橋小児歯科を受診する限られた子どもだけを見るのとは違って、もう少し広い地域の子どもたちの歯と口の健康状態はどうなのか、また何か問題はないのかと探ります。そして今時の子どもたちはどんな事に興味を持ち一喜一憂しているのか、などを大まかに把握するのに大変役に立つので、毎回楽しみにして出かけます。
いつも子どもたちの溌剌とした元気な姿を見てはこちらが清々しい気持ちになるのですが、これが少しずつ変化しているのを察知するのは案外難しいのです。何年もしてころっと変わっているのにびっくりさせられるのです。
そのうちの一つは子どものむし歯です。幼稚園の年少さんくらいまでは殆どの子どもはむし歯がないのです。それが普通になっているのです。さすが年長さんになれば全くむし歯のない子は少なくなりますが、まあまあ綺麗な子がほとんどです。重症のむし歯の子はほんの少数派というよりは珍しい存在になっているのです。
最近、目立つのは歯肉炎です。歯と歯の間の歯肉が赤く腫れているのです。ほとんどは歯肉の刺激が足り無いからです。食べ物の軟食化が関係しているようです。顎の骨に対する刺激が足りないのです。当然それはまた、顎の形、大きさなどに影響します。
最近の子どもは顎が細くて尖って来ています。ほっそりした今時の顔となるのです。当然歯の大きさと顎の大きさのバランスがとれなくて、歯並びが悪くなります。
このように考えると最近の食生活が歯と口の健康に大きく影響している事が分かります。
問題はかなり分かって来ているのですから、今のうちに手を打つ必要がありそうです。
-院長-