2014年6月 No.347 食後の歯磨きはやはり大切な生活習慣です
一時マスコミを通じて「食後30分間、歯磨きを避けること」が「これまで見落とされていた新しいむし歯予防法」と大々的に報道された事をごぞんじでしょか?
これまで食後速やかに歯磨きをしてむし歯の原因である歯垢や摂取した砂糖を中心とした食物残渣をを取り除き、口の中が酸性になるのを防ぐようにと指導してきたのです。
この問題が起きたことを受けてか、次のような間違いがあるとある医院のホームページに書いてありました。
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【食後すぐの歯みがき】
食事をすると唾液の分泌量が増え、酸を中和する能力(酸緩衝能)が高くなります。 これは唾液中の、酸を中和するイオンが増えるからで、酸による歯の脱灰(歯が溶けること)を抑制し、再石灰化を促進します。「再石灰化」とは、飲食によって脱灰した 歯のエナメル質の表面に、唾液に含まれる カルシウムとリン酸が再沈着することです。食後すぐの歯みがきは、この酸緩衝能や 再石灰化による効果を妨げることになるので、酸性の食品をとったすぐ後の歯磨きはさけて、30分後くらいの歯みがきをおすすめします。
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ここで、食後すぐの歯みがきと言えばふつうは一般の食事の後を想定しますがそうではなかったのです。一般の人には酸性食品といっても非常に分かりにくいと思います。要は食品そのものが歯を溶かすようなものの事をいっているので誤解してしまいます。
食後30分間についても、歯垢の存在下で食事を摂ればpH低下による歯の脱灰は避けられません。食後30分あるいはどれほどの時間で再石灰化が完了するかはいろんな条件で変わります。もともと自然の生きた人の口の中でのことではないようです。食前後の歯磨きは健康な生活を送るための大切な生活習慣だと思います。
-院長-