2014年10月 No.351 歯垢染色剤で染めだしてみよう
先日、定期健診に来られた小学生の口の中を見ていた時の事です。歯と歯肉の境目と、歯と歯の間がまだ歯垢が残り汚れていました。歯肉は軽度の歯肉炎を起していたのです。
早速お母さんをお呼びしてもう少し時間をかけて磨くようにお話をしようと考えました。
診察室へ入ってこられたお母さんに汚れの部分を指摘したのですがもう一つ反応が悪く、今日ここへ来る前に子どもが結構丁寧にブラッシングしていましたが、どこに磨き残しがあるのか分かりませんという様子でした。
どうも同じ場所を見ていても話がかみ合わないようで、私とお母さんとで見え方が違うように感じたのです。そこでヨウド系の消毒液をその辺りに塗布して汚れを染め出しました。
私が指摘しているのはここの事ですと、茶色く染まったところが歯垢が残っているところで、その下のエナメル質が白く脱灰され、周りの歯肉は少し赤く腫れぼったく歯肉炎を起していたのです。そこの所についてお話していたのですと説明したのです。するとお母さんは先生の目はいいですねと感心していました。最近、歳のせいか遠視が進んですっかり眼に自信が無くなりつつある私がビックリする程感心されたのです。
同じものを見ていても、見る人によって違うように見えているのです。
そのお母さんはなおも先生はいい眼をしていますねと感心されていましたが、私の言っている事がよくわかりましたといわれ、これからは歯の汚れを染めだす歯垢染色剤を使って磨くようにしますと仰っていました。
皆様も時間に余裕のある時にはたまに染色液を使って汚れをの部分をお子様と一緒に確かめながらブラッシング、糸ようじをされる事をお勧めいたします。何か新しい発見があるかもしれないですよ。