2014年11月 No.352 定期検診のすすめ
先日、2歳児の口腔健診の後、歯についてのお話を一通り済ませて、何か質問はありませんかとお聞きしました。
その時の健診では全員むし歯なしで、保護者の方の日ごろの子育てがむし歯の問題に関してはうまくいっているという事で気分を良くしていた私でした。
そこで出た質問ですが「むし歯もない2歳児ですが定期健診は必要あるのでしょうか?」というものでした。
その昔、むし歯が酷かった時代、ちょっと眼を離せばまた虫歯ができたという状態でしたから定期的に口の中をチェックしないと、ということで話は分かりやすかったのですが、今はむし歯はそれ程深刻な問題ではなくなっているので、そのように考えるのも分からなくもないのですが、むし歯だけが問題ではないのでは・・・。
小児歯科では健康で美しい歯並びの永久歯列を育成する事を目的としています。子どもは日々成長発育し、それに伴って口腔も成長変化しています。むし歯の他にも指しゃぶりや口呼吸などの不良習癖などで歯並びが悪くなります。歯の大きさとそれを支える顎の大きさのアンバランスで歯並びが悪くなったり、うまく噛めなかったりします。それらの原因を調べてみると現代の子どもたちの食べ物、食事の食べ方や偏食などの問題が浮かび上がってきます。歯並びが悪くなる事の他に、最近ではむし歯の問題よりももっと深刻なのは歯の周りの歯肉の問題です。子どもの歯肉炎が目立ってきたといわれ始めてかなりの年月が経ちましたが益々酷くなる様相です。大人の歯周病が騒がれていますがその予備軍が益々増えてきているのです。むし歯の他にも定期的にチェックしなければならない事があります。定期検診をお勧めします。