2017年6月 No.383 学校歯科健診でスクリ-ニング
6月に入り各学校・園、保育所などでの毎年の歯科健診が実施されている事と思いますが、どうでしょうか? また、6月4日は昔から虫歯予防デーとして広く親しまれてきました。
近年は子どものむし歯は激減し虫歯予防デーといっても“かばの歯磨き”などがテレビで放映され、キャンペーンだけが独り歩きしている始末です。
ところで従来の学校歯科保健活動は主に子どもに広く蔓延し急性に進行するむし歯に対応したもので、むし歯の健診で、早期に発見し早期治療を勧告する健康管理を中心とするものでした。しかし現在ではむし歯だけでなく健康であるか否かのふるい分けを目標にした健康度をスクリーニングするという取り組みに変わり、さらに診断後の事後処置として学校での健康相談や保健教育を通じて、一次予防による健康増進と疾病予防に力点を置くようになっています。事業の名前も「生きる力をはぐくむ歯・口の健康づくり推進事業」と改められています。
既にご存知だと思いますが初期むし歯Co(白斑)をCO(要観察歯)として歯科医院で専門的に進行を止める処置を進めています。最近ではGO(要観察歯肉)として初期の歯肉炎を歯肉マッサージなどで炎症を止め健全な状態に回復をさせましょうとしています。
健康は直接目には見えず、健康な時は自覚もほとんどありません。
健康が当たり前の大多数の子どもにとって分かりにくく、学習
しにくいというのが一般的です。
しかし、歯・口は直接目に見え、触れることのできる優れた
教材です。とりわけCO,GOは子ども自身が直接観察できる上、
健康な状態に回復できることさえでき、自身の努力による目標達成で自己達成感も体験することができるのです。