2022年5月 No.442 胃がんは「希少がん」に!
私は10年以上前この“くりあー”No.311にピロリ菌の除菌を始めましたという記事を書きました。2か月後に除菌に成功した報告をしました。
その頃、ピロリ菌感染が胃がんの原因に違いないと確信された時期だったのです。
最近日経新聞に「がん社会を診る」という記事が連載されていて、ピロリ菌に感染している人にストレスが加わると、胃潰瘍になり、その上に塩分過多になると、胃粘膜の炎症が進み、胃がんを発症しやすくなるという一連の流れが掴まれたのです。
かつては人類のピロリ菌感染率は殆んど100%だったので最近まで胃がんはがんの部位別でトップだったのです。
かつてはわが国の子どもの罹患率の最も高い病気がむし歯で、3歳児の90%以上だったのですが最近では10%を切っていて、子どものむし歯が社会問題になることは滅多にありません。胃がんの場合と同じように、子どものむし歯減少のメカニズムを解明できればと思うのですが・・・
話はそれてしまいましたが、現在、アメリカでは胃がんは、白血病やすい臓がんより珍しい「希少がん」になっているという事です。1940年代まではかつての日本と同様に、がんのトップだったのですが日本より早く上下水道や冷蔵庫が普及して、ピロリ菌感染率が下がり劇的に減ったのだそうです。
日本も衛生状態がよくなりピロリ菌感染者率が下がり、その上ピロリ菌除菌が進めばアメリカのように胃がんは確実に減少するものと思います。
今しばらくはかつての保菌者の高齢化でリスクの高い人の用心が大切です。