No.003 むし歯は時代おくれ??
先月号で無歯科医村の話をしました。そこでは都会と田舎ではどちらの方がムシ歯が多いかご存知ですか?
この問に対して、お母さん方はいろんな考えを巡らして、面白い答をひき出して来るのです。
田舎では自然のものを食べているので・・・あまり甘い物を食べられないので・・・
今の日本ではテレビの映らない所はないのです。お菓子のCMは日本中くまなく行きわたり、自動販売機は自動車が通る所なら本当に山村、奥深くにまで置かれているのです。田舎の子供もとっくの昔にこれらに毒されてしまっています。
日本全国ムシ歯を作る条件は等しく整っています。・・・答は田舎です。 そんな中で、最近、都会を中心として日本の児童のムシ歯は減少して来ているのです。
この間も高石市保健センターへ三才児検診に出かけたのですが、約50人の子供を検診してムシ歯のある子は10人足らずでした。昭和56年度の三才児のムシ歯にかかっている子の率は70%という数字は、NHKの面白ゼミナールで覚えておられる方もおありかと思いますが、ここ高石市もようやくその半分以下になって都会の仲間入りが出来るようになって来ている筈です。それ程ムシ歯は減って来ているのです。今からほんの5年ぐらい前までは、三才児検診といえば、ギャーギャー泣きわめく子でいっぱいいて口の中もムシ歯だらけの子がいくらでもいたものです。最近では、なすび歯、なんて子は本当に珍しい状態です。では、どうしてこんなにムシ歯が減って来たのでしょうか。私は、マスコミを中心としてムシ歯予防の情報が流れ、その情報をきちんと理解し、実行する家庭が増えた事が最も大きいと思います。この傾向は少し遅れて田舎にまで浸透していくものと思われます。
子供の口の中にたくさんムシ歯を作っているお宅は、それこそ、時代おくれという時代が来たような気がするのですが如何でしょうか。