No.043 定期検診の励行を!!
先日、6歳5カ月の男の子が、下の前歯がいがんで生えて来たということで電 話の予約で新患として来院しまいた。受付けでよく聞いてみると1年半程以前に 当院にかかっていたという事です。
さっそく来院患者名簿を繰って見るときちっとその子の名前が載っています。 カルテ番号を頼りにカルテ保管庫から昔のカルテを引き出して見ますと、1年半 前に治療を全部終わって定期検診に入っていたのですが、検診の予約日に無断キ ャンセルして、そのままになっています。私はこの1年半の間に虫歯などが増え ていなければよいがなあと思いながら、順番が来たので診察台に上げて検診をし ました。すると、やはり案じていた通り口の中は惨憺たるものです。私の診療所 から他の一般歯科に移って治療をしてもらってあるのですが、詰めた所の横から また虫歯が出来ているではありませんか。お母さんにお聞きしますと、定期検診 の日はたまたま都合が悪くて無断でキャンセルしてしまいました。その後電話で 予約を取り直そうと思いつつ日にちがたち、どうもバツが悪くて気になりながら 途切れてしまったということです。その後虫歯が痛くなったらその都度近所の一 般歯科で治してもらいに通っていたとの事です。
今回、下の前歯がいがんで生えてきたのでその治療について相談したところ、 その医院では歯の矯正はしないとのことで、あまりよいアドバイスが無かったので、 思い余って当院に久しぶりに来院されたということです。
この子の場合ちょうど5歳から6歳半までの間のブランクだったのですが、こ の期間がちょうど第一大臼歯(六歳臼歯)が生えてくる時期に当たり、その手入 れについての指導や予防処置が出来なかったものですから、第一大臼歯は、残念 ながらもう既に虫歯になっていました。以前にも何度かお話ししましたように歯 は歯肉から頭をだし始めてから1年半ないし2年の間が最も虫歯になり易いの です。この時期こそ最も気をつけなければならないのです。また、乳歯から永久 歯に生え代わる時こそ歯並びが悪くなる時期でもあるのです。
時時刻々成長発育している子供ですから、やはり定期的に見てやる必要があり ます。
定期検診の日を忘れずに、またたとえ忘れてしまっても遠慮せずに早くアポイ ントメントを取り直してあげてほしいものです。