No.073 虫歯予防は親子ぐるみで!!
先日、私が所属している大阪小児歯科専門医臨床研究会(OSP)の研修会に 参加しました。その日の演題の中に「カリオスタットと母子関係」というのがあ りました。カリオスタットという言葉はあまり聞き慣れないと思いますが、当院 に来られた方に、綿棒で口の中の歯垢(歯くそ)をぬぐい取り、アンプルの中の 培養液に入れて48時間37 ゚Cで培養し、酸のできぐあいを調べ、その患者の 口の中の虫歯菌が、虫歯を作りやすい強いバイ菌か、作りにくい弱いバイ菌かを 調べて、虫歯の増加を予測する検査です。
従来、大橋小児歯科では患者であるお子様だけの検査をしていますが、その調 査発表では、同時にお母様のカリオスタット検査をしたのです。その結果、子供 と母親の検査の成績が非常によく似ていたというのです。よく考えて見れば、当 然予測のつきそうな結果ではあるのですが、改めてその相関性の強い事実を示さ れると、虫歯予防を子供だけに対して一生懸命やるのはどうも片手落ちのように 思えてきます。
家族はほとんど同じものを食べ、同じ様な習慣の上で生活しているのですから、 一人だけ特殊な生活をすることは不可能に近いでしょう。とすると、やはり、虫 歯予防を含めて、健康生活、そして文化生活すべての日常生活は家族ぐるみで考 える必要があります。特に小さな子供にとっては養育者である母親の影響力は大 きいのです。ですから小児歯科を卒業する、中、高校生の親離れの時期には、も う既によい基本的な健康習慣が身に着いている必要があります。