No.075 国際学会に出席して
第13回国際小児歯科学会が9月27日から30日まで京都で開催されました。 2年毎に開催されるのですが、アジアでは初めてです。 地元日本それも京都ということで私も参加いたしました。 世界34ヵ国から
日本人も含めて約1700名が一堂に会し盛会裏に終わりました。 4年前にカナダのトロントでの学会に出席したときの感想をこの「くりあー」 で書いたことがありますが、欧米先進諸国ではその時以上に虫歯の問題はもうす
でにほとんど解決された感があります。WHOが西暦2000年までに12歳児のむ し歯経験歯数を3以下にしようと目標を掲げたのですが、その目標はそれらの国 でクリアーしているのです。そこで日本の現状はといいますと4.9で、なぜか 先進諸国の中では大きく遅れをとっています。大橋小児歯科に永久歯が生える前 から来院して定期検診を受けている子供たちは2.8でこの目標をかろうじてす でに達しているのはせめてものなぐさめです。世界全体では虫歯の減少はフッ素 に大きく依存しているようです。日本ではフッ素に対する色々な考え方があり、 水道水のフッ素化などは今のところ不可能です。ですから歯磨きや間食のコント ロールが主ですがこの方法でも、もう虫歯の問題をクリアーしつつあるところが 出てきました。しかし一方アジアやアフリカなどの開発途上国では20年くらい 前に日本が辿ったように虫歯は増加しつつあるようです。
このように見てくると虫歯は文明病であるとともに、虫歯が減るのもまた成熟 した文化の賜でもあるようです。アメリカでは12歳児の50%以上が虫歯なし ということです。そんな話を聞いていると毎日毎日ガリガリ歯を削っては痛い目 に会い泣いて悲しみ、苦しんでいるのは馬鹿みたいです。大橋小児歯科に来院し ている皆さん虫歯は必ず克服できます、頑張りましょう。