No.086 電話を利用したむし歯予防
先日、1歳半児健診のために保健センターへ行きました。歯科検診の結果は5 0人ほどの子供のうち数人に小さな虫歯がありましたが、ほとんどの子供は虫歯 なしです。これが最近の高石市の状況です。
近年、小児のむし歯の減少は全国的に確実に進行しているようです。これは私 たちの虫歯予防への取組みはさることながら、一般市民、特に育児の担い手であ るお母さん方の口の中の衛生、特に虫歯予防に対する関心の向上によるところが 大きいようです。当院でもそのための努力を重ねてきました。そして、これらの 母親の関心に対して的確なアドバイスを提供することにより、より確実な予防の道 が開かれるものと考えています。
私は、園医をしている幼稚園児を対象に育児環境と虫歯についての調査を実施 し虫歯の数に対する環境要因の影響率などを求め、育児環境諸要因の虫歯の原因 としての重み付けなどについて研究、発表してきました。
それらの結果を踏まえて、これまでにパソコンによるアンケート処理システム を開発し、毎年の集団健診の際に虫歯予防診断書を発行してきました、そして今 回は、電話回線を利用したむし歯予防教育システムを開発し、これをNTTのQ 2に組み込みました。
今回の電話回線を利用したシステムは、こんにち私たちの生活の中に完全に融 け込んでしまった電話を利用することにより、情報を得たい人が特に人手を煩わ せること無く、的確な情報を得ることができる画期的なシステムであると考えて います。また、情報は有料化の時代に一石を投ずるものであるとはいえ、まだま だ考慮の余地がありそうです。