No.159 噛み合わせと頭痛
先日、小児期の咬合関連症状についての講演会に行って来ました。 特に噛み合わせと頭痛について詳しく話がありました。 実際、噛み合わせの治療によって頭痛が改善されたという患者さんがいること
は確かですが、どのような頭痛が、どのような噛み合わせの異常と関連している 野かは、未だはっきり証明されていないのです。
しかし、その講演では人の噛み合わせの中で最も重要なところは、乳歯の一番 奥の第2乳臼歯の部分だと強調されていました。
第2乳臼歯といえば、2歳の中頃に生え揃い10~11歳頃に永久歯の第2小 臼歯と交換するまでの間、子供の口の中にあります。
その辺りが噛み合わせの中心で、筋肉の負担の一番かからないところ(領域) だそうです。その部分に異常な力が掛かると噛み合わせの異常、筋肉の異常が起 こるのです。
この第2乳臼歯の噛み合わせの異常の原因として 1いつも片方の歯で噛む 片咀嚼などの異常な咀嚼癖 2いつも舌を突き出したりする舌癖、指しゃぶりな どの不良習癖 3顎に肘をついたりする不良姿勢、などが上げられています。
こういったことによって、顎に異常な力が掛かり噛み合わせを狂わせるのです。
その結果、歯を噛み合わせた時、前の上下の歯と歯の間に隙間ができる開咬の 場合、全体の噛み合わせの接触面積が不足して、咬合重心の不調和や、特定の歯 だけが異常に当たることで、側頭部の筋肉に異常が起こり側頭部に頭痛を起こし やすいのです。
また、下の顎が後ろの方へ異常に変位して、噛み合わせた時、上の前歯が下の 前歯にかぶさって、下の前歯が見えないくらいになっている過蓋咬合の場合では、 下の顎の運動制限が起こっている時は、後頭部の筋肉に異常が起こり後頭部の頭 痛が起こりやすいのです。
これらの頭痛を防ぐためも、子供の時から第2乳臼歯をむし歯にしない事、顎 の位置関係を狂わせないためにも、指しゃぶりなどの不良習癖などに十分気をつ ける必要があるのです。