2002年12月 No.167 よく噛めば老化を抑え長生きする!!
先日、5月22、23日に日本小児歯科学会が開催され、出席しました。
学会発表の中に、「老化促進マウスの成長老化と食物性状の影響」という興味深い ものがありました。
以前、固形の堅い餌で飼育したラットの方が粉末で食べるのに噛まなくてもよい餌 で飼育したものより、迷路での学習能力実験で良い成績だったことを書きました。よ く噛んで食べることによって脳の血流量が増え活性化され、その結果、学習、記憶が 良くなるようだということでした。
今度は、もう一歩進んで、老化、寿命についての研究発表でした。
もちろん人間では実験できませんから、そのまま人に当てはめることはできません がかなりの参考にはなると思います。
実験では、固形飼料とそれを粉末にした飼料で飼育した二群に分け、老化の指標あ るいは痴呆と関連するアミロイド蛋白というものの沈着度を調べると同時に、自然死 するまで飼育し寿命の長さを比べたのです。
その結果、粉末飼料で飼育した場合、固形飼料で飼育した場合に比べ老化度指数、 自発運動量に加え、アミロイド沈着も多く、また死亡時期も早かったのです。
この事によって、噛まずに食べることのできる粉末飼料で飼育すると、老化が早期 に進行し、寿命が短くなるようだと考えられるのです。
最近、噛むことの意義がいろいろ言われていますが、老化、寿命にまで影響してい るかも知れません。日頃から、よく噛んで食べる習慣をつけたいものですね!!