2003年2月 No.169 気をつけたい子どもの足と靴
夏休みに入り皆さんのお宅は賑やかなことでしょう。 大橋小児歯科では夏休みを利用して、年齢の高い子どもたちがたくさん定期
健診に来られます。急に大きくなって見違える子もいます。 年齢が高くなるにつけ、そして夏休みということもあって女の子はお化粧な
どして楽しんでいるのでしょう。 マニキュアしている子は非常に多く、足の爪にも綺麗に塗っている子もけっ
こういます。 私は、ふだんは子どもの口の方を診ているのですが、診療台に上がった子ど
もの足もよく見えます。 今まであまり気にも止めなかった事だったのですが、最近気になっているの
が、足の親指が屈曲変形している子が多い事です。特に小学校高学年の女の子 に多いように思われます。世間一般では、成人女性の外反母趾が多い事が話題 になっていますが、子どもにも、そのはじまりと思われる状態がけっこう見ら れるようです。
子どもは成長途上にあり足も成長を続けていて靴のサイズも1年に 1~2 大 きくなる事も稀ではないのです。
子どもの足の間節は柔らかく、その部分に成長軟骨層があり、そこで活発に 骨が作られているのです。当然、外部からの力によって変形しやすいのです。 特に爪先の細い靴や、爪先の中心が外側よりの靴は、足に変な矯正 装 置を入れたようなもので、母趾が外側に曲げられ、外反母趾を誘発する危険が
あると指摘されています。 靴の大きさは成長にともなって、きちっと合ったものを選びたいものです。
爪先は外反母趾を誘発しないよう、爪先の中心が 2 趾の先端付近にあるもの。 また、重さは子どもの筋力がまだ強くないので、なるべく軽いものをという具 合に。
必ず実際に手に取り、履く本人が試着し、歩いてみたり、踏み込んでみたり して、動作においてフット性、力の入れやすさを確認してその子に合った物を 選ぶ必要があります。