2005年2月 No.193 何を食べたかぴたりと当てる
先日、小学生の女の子が診療台に上がりお口を開けました。
私は口の中を見て、診療所へ来る前に何か美味しいものを飲んで来たね?
と尋ねました。その子は黙っています。何も怒らないから言ってごらんと言いましたが口をつぐんでいます。
メロンソ-ダを飲んだことは、舌を見れば明らかです。
これは一般の方でも、日常よく見かける事だと思います。この他にも、牛乳を飲んで口の周りを白くしている子供、ガムやアメの臭いをプンプンさせている子どもなど、日常診療の中で口を開ければいろいろな生活状況、特に食生活の様子が垣間見られます。もちろん、診療中に嘔吐して、食べた物を全部出した場合は、その物ズバリですがそれ以外にもいろいろな事が分かるのです。
前の日の夜、カレ-を食べたのを当てられてびっくりした子もいました。少々磨いても歯のどこかにカレ-の黄色が残っているのです。
歯にくっ付いている物でよくあるのが、青海苔で、口の縁にソースが着いていると昼食に焼きそばを食べた。
その上に上アゴにヤケドがあると、タコ焼きを食べたという具合なのです。
歯と歯の間にゴマが食い込んでいると、おにぎりを食べたことが分かります。
もちろん臭いで餃子、ラーメン、ニライタメなどもマル分かりです。
魚の小骨が歯茎に突き刺さっている場合もあります。
この間、小児科の先生がカツレツを食べたのを当てるのが特技だといっていたのですが、さて、その証拠はどうして見つけられると思いますか?
そうです、カツレツは牛肉や豚肉にパン粉をつけて油で揚げた料理ですネ!!
揚げたパン粉はミクロで見れば鋭い刃物のような物で、咽頭に無数の傷がついているので分かるということでした。