2006年2月 No.205 重要なリスクマネージメント
新聞テレビなどですでにご存知だと思いますが、先月埼玉県深谷市で 4 歳の 子どもが歯科診療中に亡くなりました。
現地、朝霞歯科医師会の知り合いからの資料によりますと、4 歳の男の子で、 お母さんが側で付き添った状態で虫歯の治療をしました。(他からの情報では お母さんが抱っこした状態だったというのもあります)
治療に際して、麻酔を打ち、その時は少し泣いてぐずったが、そのうちおと なしくなり歯髄を抜き、その歯髄腔に薬を入れ(直抜即根充)、樹脂を詰めて治 療を終えました。その時、ぐったりして様子がおかしいのに気づき人工呼吸、 心臓マッサージなど救急処置を施し、救急車で病院に着いたがその時には既に 亡くなっていたとのことです。治療中に嘔吐があり窒息死の可能性が高いとの 事ですが、司法解剖の結果を待って確定しなければならないとの事です。
ニュースが伝わってきた時,麻酔薬によるアナフィラキシーショックではな いかと懸念されたのですがそうではなかったようです。その昔、けっこう麻酔 によるショック死が発生したのか、大学の講義でその時の救急処置法を叩き込 まれたものです。
窒息死だとしても、歯科医、介補者(歯科衛生士など)、付き添いの親などの 見守る中でどうして分からなかったのかと思います。
いずれにしても事の重大性にもっと早く気づき対処できなかったかと思いま す。
今回は小児歯科専門医ではなかったようですが、いくら子どもを扱いなれて いるとはいえ、何時このような事態が発生するかは分かりません。 普段からの注意と事故を起こさないチームワークと診療態勢、もしかの時の対処 等もう一度リスクマネージメントの点検をいたします。