2006年4月 No.207 口の周りの筋肉を鍛えよう
先日、日本小児歯科学会近畿地方会が京都で開催され、出席しました。 展示発表の中に口の周りの筋肉を鍛える器具についての発表がありました。 最近の子どもたちの気になる点について
1口を開けて寝ている、2うつ伏せで寝ている、3テレビを見る時ポカンと 口を開けている、4口臭がする、5寝息が高い、6歯垢がつきやすい、7歯周 炎を認める8左右の顔のアンバランス、9発音が気になる、10なかなか物が飲 み込めない。などを挙げていました。
これらを改善するために口の周りの筋肉(口輪筋)を鍛える器具を使ったと ころ多くの子どもで改善したというのです。
この器具は上下の唇の間に器具をはめ込み、器具の反発力で唇が開いてしま うのを,唇の筋肉で閉じさせるという、いたって簡単なものです。
この訓練によって、ポカンと口が開いていた子の口が閉じるようになり、顔 が引き締まり、子顔になったというのです。
その上、今まで口で息をしていたのが、鼻で息ができるようになりアトピー まで治った子もいるのだそうです。
口で息をすることにより乾いた、汚れた空気が扁桃腺を直撃して、免疫力が 落ちていたのが原因のようです。
この器具はたまたま脳卒中の後遺症で口腔筋機能麻痺の患者さんに口を開く 器具を使ってそれをかませて筋肉を使うように指導したところ、何年もの間止 まらなかった涎がとまり、言葉や表情がしっかりしてきたという偶然の発見だ ったようです。
最近の子どもは軟らかな物を好み、あまり口の周りの筋肉を使わなくなって ひ弱になっているようです。 この器具で鍛えるのもいいですが、日頃から食べ物をよくかんで、よくおしゃべ りし、口遊びなども工夫し口の周りの筋肉を鍛えたいものです。