2008年2月 No.229 注目される再生医療
先日、大学の同窓会で再生医療の最先端の研究をしている後輩の講演を聴く機 会がありました。また、先端医療センター(神戸市)の再生医療研究部の先生か らも最新情報についての講演を聴く事ができました。
前者は歯学部大学院を卒業し2年間アメリカのUCLAへ留学して日本に帰って来 たという30数歳という若い新進気鋭の研究者です。
後者は歯学部を卒業し、日本の再生医療企業を産学協同で立ち上げ、最先端の 医療を現実のものとして実施しているのです。最先端の仕事には若い人材が活躍 しているのです。
この“くりあー”226号、227号で「なくした自分の歯がまた生えるかも?」「幹 細胞で歯が生えてくる?」という記事を書きました。
その時は新聞とインターネットの記事から新しいホットな情報をという事で 掲載させていただきました。今回実際に歯や骨の再生の研究に携わっておられる 先生から直接お話を聴く事ができ、現実のものとして再認識させられました。
再生医療の一番のメリットは心臓移植や腎臓移植など他人からもらった臓器 の場合は避けて通る事ができない拒否反応があるのに対し、自分の遺伝情報その ものから再生したものですから拒否反応の問題がないことです。
骨の再生療法については既にかなり一般的に行われているようです。その昔は 骨が欠損した場合、身体の他の部分から切り出した骨を自家移植するのが一般的 でした。これからはそれがいかに最小限に留められるかということになります。
また一般的によく知られている再生医療として大やけどした場合の皮膚の再 生移植などがあります。
今回の講演で神経の再生が実際に行われ成功しているのを見ましたが、すばら しいことです。
歯についての最新情報としては、広島大学では抜歯した親知らずなど歯を凍結 永久保存し、その人が他の歯を失った時に再植するサービスを始めたということ です。
親知らずが問題を起こさない限り抜くことなく大切に口の中で保存、維持する ことが将来のためになるかも知れません。
ところで、歯そのものは再生されるのかどうかということですが、まだずんぐ りとした不恰好なものですが歯の構造をしたものの再生が既に成功しています。
将来の再生医療に注目する必要があります。 -院長-