2011年8月 No.311 ピロリ菌の除菌を始めました
ピロリ菌という菌をご存知でしょうか? 胃の中に住み着く菌です。
わたしは毎年健康診断を受けていますがその時に、何年も前からピロリ菌プラスの判定を受けていました。検査後の面談で特に悪さをしていないようですから様子を見ましょう、ということで放置してきました。
実際、40歳以上の日本人の70%が感染しているとの事です。「赤信号みんなで渡れば怖くない」ということで様子を見ていました。
しかし、最近、萎縮性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなど胃を中心としたいろいろな病気の発生や進行に関係しているという見解が大勢を占めてきました。 2009年日本ヘリコバクター学会がそれらの病気の治療や予防に役立つとして、病気の有無に関係なくピロリ菌感染症全体に除菌治療を推奨するようになったのです。
1994年WHOはピロリ菌を疫学的調査から確実な発がん物質と認定しました。
また、除菌により胃がん発生の予防効果があることが証明されています。
ということで、今年は健康診断時に初めて胃の内視鏡検査を受けました。口からではなく鼻から内視鏡を入れて検査しましたが、他人から気持ちが悪い検査だと脅かされていたのですが、実際はそれほどでもなくすんなりと入りました。自分の食道から胃とカメラが映し出す映像を見ながら説明を受け納得させられました。
結果的にはこの際、意を決して除菌をすることにしました。ランサップ400という抗生物質を含む3種類の薬5カプセルを朝夕1日2回7日間飲み続けるのです。
これも飲めば胃の調子が悪くなると脅かされていたのですが、問題は何もありません。この原稿を書いている時点では、あと1回飲めば終わりで、1ヵ月後に検査をすることになります。陰性になるのを祈りながら、また報告いたします。
ところで、ピロリ菌は.どのようにして胃の中に入るのかというと、人から人への経口感染(口から口)がほとんどで、家族内での母親から子供への感染(たとえば、一度口に入れた食べ物を子供に与えるなど)などで多くが5歳までの幼少時に感染するようです。虫歯菌も同じようにして移るのだったですよね・・・
- 院長-